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アンダーレイKとゴムスポンジ

弊社が運営しています防音防振ネット!で、アンダーレイKと言う製品を掲載しています。弊社の取り扱い製品としては少しジャンルが異なる製品ですが、歩行の振動を吸収する材料として取り扱いさせて頂いております。

ここで面白いのは、共ショウNETで扱っております材料の中で、塩化ビニルの発泡体の中では類似した製品が存在しない事です。アンダーレイKの比重は0.35(約3倍弱の発泡)です。近い比重を持つシートと言うのは、産業資材の材料の中ではあまり見ることのできない物です。アンダーレイKと言う材料は、合成樹脂の床の下に設置する、転倒時の衝撃を吸収する緩衝シートになります。ラインナップとして3ミリ厚、5ミリ厚が存在します。

当然ながら、5ミリ厚みの方が緩衝能力に優れ、歩行安定性や、床の断熱性能も向上できるのです。

施設での使用が中心となりますので、大勢の方が歩いてもフォーム自体にヘタリが少ないのが材料としての鍵となります。つまり、産業資材関連の物性データとして、繰り返しの圧縮歪みのデータが優れていないと、このような用途には使用できません。

さて、産業資材において、このような材料に近いものを挙げるのであれば、ゴムスポンジになります。では何が違うのか?これらの材料において相互の使用用途が分かれてしまうのかを考えてみました。

アンダーレイKがゴムスポンジと異なる点。

長所

  • 広幅、巻物ができる。(施工性に有利)
  • 臭いが少ない。
  • 不織布を連続で貼り合わせしている。

 

短所

  • ゴムスポンジと比べて比重が高い(重く発泡倍率が低い)
  • 凹凸面への追随性が悪い
  • 立米単価で比較すると、割高になる。

 

上記の長所短所を考えると、ゴムスポンジは一般的に板物としての生産になり、建材として考えるのであれば不向きです。建材は大きな面積を一気に施工しますので、施工しやすい様に幅広、巻物が重要視されます。逆に産業資材で考えるのであれば、ゴムスポンジやポリエチレン発泡体のように、フォーム材(板状)で流通している業態においては非常に扱いにくい材料になります。

アンダーレイKは、原料がポリ塩化ビニルであることから臭いはゴムに比べて少ないことは長所でしょう。しかし、臭いは出ています。ゴムにおいては「臭い」と判断されることが非常に多いために(筆者は気にはなりませんが)、不利な面と考えた方が良いでしょう。

不織布を貼り合わせしているアンダーレイは、伸縮の防止や、施工性の向上(接着性の強化)に対して効果があります。産業資材の材料として、不織布が長所になることはあまり無いような気がします。

アンダーレイKはゴムスポンジが近いと言っても、6倍程度の密度があります。この樹脂量で重歩行に耐えられる強度を得ていると思います。逆にゴムは架硫と言う分子構造で強度を保持していますが、同じ程度の条件に耐えられるのかと言うと厳しいと考えられます。もっと密度を上げないと重歩行に耐えられないと思いますが、コストは大きく上がると思います。

ゴムスポンジは密度が低い分、接地物の凹凸に対して追随性が非常に良いです。追随性が良いと言うことは、パッキン材としての用途として使用ができます。実際に、パッキンとしての用途は非常に占有率が高く、好まれて信頼されています。アンダーレイKは逆に表面にスキン面を保有していることから、強度はありますが追随はしにくいために、パッキンとしての用途には不向きです。発泡倍率を上げたポリ塩化ビニル製のノルシールと言う材料は、非常にパッキン性能がある材料として、多く使用されています。

 

上記のように、似た物性を持っているにもかかわらず、使用用途が重ならないことは、産業資材、建設資材において多くあり、用途に合わせて、それらの材料は進化(マイナーチェンジ)し続けています。

 

これらの長所を熟知して、お互いの業界を超えて提案できることを弊社(株式会社共ショウ)は考えています。お気軽にお問い合わせを頂ければ、幅広いご提案ができる可能性がありますので、ご理解いただけると嬉しく思います。

 

下の写真は、アンダーレイKベリーウェイ(壁用)

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