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歩留まりと材料費1

産業資材において、材料費は非常に重要です。使用した重量(材料)に対して、材料費(費用)が比例しているのであれば非常に計算がしやすいのですが、実際には比例していません。材料費は、材料の規格寸法、生産寸法から導き出されるためです。少し分かりにくいかもしれませんので、例を挙げて紹介します。

材料の規格が1000ミリ*1000ミリの原反だとします。使用するサイズが500ミリ*500ミリの場合、原反から丁度4枚取ることができます。しかし、使用する大きさが510ミリ*510ミリに変更すると、原反から何枚取れるでしょう?答えは簡単です、1枚しか取れないのです。つまり、材料費は4倍になってしまうのです。

殆どの材料は、規格の寸法が存在します。原料や材料の投入量に対して、実際に製品に使用できる比率を歩留まりと言います。つまり、上記の場合は歩留まりが4倍に跳ね上がったという事です。たった10ミリの変更で材料費が大幅に跳ね上がってしまうのです。

この例は極端ですが、材料加工品を扱う場合は良くあるケースです。もし、材料(原反)の大きさが1100ミリ*1100ミリだったならば、10ミリの変更でも材料費は変わりません。また今後は、廃材の処理費も加算されることも視野に入れなくてはならない事態も想定しなくてはなりません。

製品の形状は、製作者の意向が通ることもありますが、伝わらないことが殆どです。では今後どのように考えて行けばよいのでしょう?一つには製品の形状を決定する人がそれらのことを納得して頂けることです。しかし、デザイン的な要素、安全的な要素、その他の要因において大きな制限が出てしまうために、組み入れてもらえないでしょう。最終製品の原価は少し下がるかもしれませんが、デザインや安全性能において良くない方向に進めば、販売に大きな影響が出る可能性があります。

しかし、我々が納めるユーザー様において、歩留まりのような問題はナカナカ伝わることが少ないのです。

現状はコストが中心となるのですが、今後は廃材や材料の有効利用と言う点で様々な問題が生じる可能性があります。一般的なプラスチック材料やゴム材料は、マテリアルリサイクルが簡単にはできないのです。またできたとしても、回収や原料を再利用する手間に費用がかさみ、バージンと呼ばれる石油から新しく作られる材料の方が安価にできるために、高価な材料費になるリサイクル製品が出回らない要因の一つになっているのです。

 

 

 

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