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発泡プラスチックの耐熱温度

発泡プラスチックは、同じ材料であっても発泡倍率(比重)によって耐熱温度が異なります。低発泡であるほど原料に近い耐熱温度になり、高発泡であるほど耐熱温度は低くなります。原料としての物性は活かされますが、発泡させるほど低下します。

どのような状態のことを耐熱温度と呼ぶのかは、測定する製造者によって異なりますが、基本的には常温での物性を維持できる温度を、耐熱温度と考えています。加熱した材料は、耐熱温度を超えると、発泡プラスチックは一度空気が膨張するために一度体積が膨らみます。内部の気泡の壁(セル)が破壊され空気が抜けてしぼみ始める減少が起こります。しぼんだ材料の物性は固くなったり、変形をして発泡プラスチックの材料独自の特性がなくなってしまいます。

これの限界地点を一般的な耐熱温度と考えています。例えば、耐熱温度を80度と言われると、私はユーザー様に70度と答えます。なぜかというと、想定できない条件の変化があったり、発泡倍率の斑があり(規格交差内で)高い発泡状態になっていたりと、耐熱温度が低くなる条件が重ねるケースがあるからです。そこで物性維持ができなくなって、本来の機能が損なわれないように、10度ほど低い条件で伝えることは往々にしてあります。

一般的にポリスチレン、ポリエチレンは耐熱温度が低く、ポリプロピレンは汎用プラスチックの中では高い方に分類されています。また、熱硬化性樹脂のウレタンやフェノールなどは非常に耐熱性が高いのですが、耐熱温度を超えると硬化し、さらには砕けやすい状態になります。

発泡プラスチックの耐熱温度というのは、発泡していないプラスチック材料と異なり、融点や、硬化温度ではなく、膨張してもセルが破壊されない状態で、物性が維持できることと覚えた方が良いでしょう。

 

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