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EPSとEPP、EPE

EPSとはいろいろな略語がありますが、産業資材においてEPSは発泡スチロールを指します。英語表記はExpanded Polystyreneとなり、広げられたポリスチレン=発泡したポリスチレンを指すようですが、業界的にはポリスチレンを原料としたビーズ発泡成型品を意味しています。発泡スチロール協会においては、EPSを発泡スチロールやビーズ法発泡スチロール、発泡したポリスチレンのシートをPSP(Polystyrene paper)、断熱材などで使用される厚い板状発泡体をXPS(Extruded Polystyrene)と呼んで分けています。

以上がポリスチレンとしての表記の方法になります。ではEPP、EPEとは何であるのかと言うと、業界的にはポリスチレンのビーズ成型がEPSとして表示方法ができているために、ビーズ成型のポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)を、EPP,EPEと呼ぶようになりました。

現在日本では、オレフィン系のビーズ成型用の原料を生産している会社は3社です。非常に面白いのは、EPSの原料ビーズは化学反応で作りますが、EPP、EPEは化学反応ではありません。よって原料もEPSは球状ですが、EPP、EPEは球状ではないのです。

つまり、発泡プラスチックにおけるEが頭文字として使用される原料は本来の発泡と言う意味ではなく、ビーズ製法と言う意味を成していることを理解してください。

市場としては包装資材関連が最も多く、それ以外は衝撃吸収、断熱用途になります。包装資材においては一度使用すると廃棄をするケースが多いので、原料価格が安価なEPSは殆どの様です。EPSがEPP、EPEと比べて勝っている点は、非常に成形性が良く、寸法精度が高いのが特徴です。ビーズの大きさ(径)が小さい物(マイクロビーズ)もあり、エッジの効いた成形も可能です。

発泡スチロールは資源に対する批判も多いようですが、50倍以上に発泡させている場合が多く、実際には石油資源に対して非常に有効的な製造方法と言えるでしょう。非常に難点なのが、使用する際に小さな屑となり舞ってしまうことがあります。(発泡倍率が高いほど、削れやすくなります)

写真はバイオマスプラスチックを混入させたミラブロックBIOです。

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