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サンペルカの耐熱性(熱的安定性)
サンペルカはポリエチレン製ですので、基本的には樹脂の中で耐熱性は低いと考えて良いと思います。しかし使用環境によっては、対応できたりできなかったりと製品毎に異なるために、ある程度の指標が必要になると思います。それを表わしたのが熱的安定性と言うデータです。JIS K 6767を準用した試験での数値を記載していますので、保証値ではない事を確認して使用することが望ましいと思います。
数値が高い(ゼロに近い)と、70度近くでの使用に耐えやすく、マイナスの数値が大きい(ゼロから離れる)と収縮しやすい可能性あると判断できます。飽く迄も70℃での試験です。それ以上高い場合は、原料の異なるポリエチレン以外のものを選定することがセオリーと言えるでしょう。
傾向として、以下のものがあります。
熱的安定性が高くなる傾向がある | 熱的安定性が低くなる傾向がある |
発泡倍率が低い (密度が高い) |
発泡倍率が高い (密度が低い) |
Lシリーズ (ポリエチレン製) |
EVAフォーム |
サンペルカは、内部に多くの空気を含んでいるので、加熱されると内部の空気が大きく膨張され、それに伴い材料も大きくなりますが、セル(空気を取り囲む膜、壁)が破壊されてフォームから抜け出る為に縮みます。当然発泡倍率が高いと、セルの膜の樹脂量は少なくなりますので、破れやすいと思います。
さて、耐熱性と言うことに触れましたが、状況によっても材料の耐熱性能に影響することがあります。熱い鉄板等の上に材料を置くのか、設置場所の気温が高熱になるのかでも材料への影響が異なります。サウナと同じように考えるのが良いでしょう。サウナの室内の温度は80~100℃と言われています。気温ですので、火傷もすることなく楽しむことができますが、これが80度のお湯(液体)や金属であればどうでしょう。当然、体に触れると同時に火傷になります。これは材料にも当てはまります。気温が短時間に上がる程度ならば、材料への影響も少ないのですが、挟み込んだり、圧力、荷重が加わると影響は加速します。
(気温は雰囲気温度とも表現されます。)
補足ですが、搬送するアルミボディの夏場の荷室の気温(雰囲気温度)は約50度強と言われています。7月下旬から8月上旬が最も高い温度になるそうです。
サンペルカ各種の物性はこちらで記載しています。
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