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プラダン(ミナダン)の目封止(目潰し)
プラスチックダンボール(プラダン)は、ご存じの通り板の中身が中空になっており、表面を支える構造としてリブが立っております。このリブでプラダンは上下としなり(縦方向のみ)の合成を保持しており、樹脂製のボードにおいてはコストパフォーマンスが高い部類に入ります。そのリブは基本的にむき出しで使用されていますが、水やホコリが混入しないように目封止と言う処理をする場合があります。呼び名は「目潰し」とも呼ばれることもありますが、表現として乱暴なイメージがありますので、ここでは「目潰し」ではなく「目封止」と記載いたします。
この処理は、熱で溶かして形状を変形させる加工方法です。各加工業者で独自で設計された設備で対応しています。プラダンは基本的にポリプロピレンを原料として作られています。アクリル樹脂やウレタン系の原料になると、熱で溶解した時点で別の物性になるためにこの様な処理はできません(このような樹脂を熱硬化性樹脂と呼びます)。一度溶かしても同じ物性になる性質を利用した加工方法です。
先ほど述べたことですが、面白いことに各加工業者の設備が独自で開発されていますので、目封止の形状や加工範囲が異なります。目封止ができる長さや方向性(リブ面が可能で、流れ方向ができない業者もあり)、形状、使用のプラダンの厚みと目付(使用される1㎡あたりの重量)によって変わります。
多くの加工設備では、厚みが3㍉以下のプラダンはできないようです。それは厚みを封じる樹脂量が足りないのです。上下で潰してレトルトパックのような形状ならできるのかもしれませんが、非常に見栄えが悪いために、その方法で採用とは行かないようです。
下記のサンプル協力写真は、酒井化学工業株式会社のミナダンの目封止加工です。5ミリ厚1000グラムものを使用しています。
重量の密度としては20パーセント弱であり、ハニカム構造の樹脂板と比較すると強度は落ちますが、価格的には最もコストパフォーマンスがあるボードになります。
目封止加工
写真のR形状は、特殊な冶具を用いています。
目封止前のプラダン(ミナダン)
サンプル協力:酒井化学工業(株)