産業資材の豆知識
発泡倍率と発泡体の比重
発泡倍率は、プラスチック系の発泡素材に使用される表現です。当然のことから、大きく発泡されたものは気体の比率が大きいことから、柔らかくしなやかな雰囲気になり、小さく発泡されたものは固くなっています。原料によって同じ発泡倍率でも硬さや弾力強度などが異なります。今回は、目安となる見方を表記します。
高発泡 | 低発泡 |
軽い | 重い |
弾力がある | 弾力が少ない |
断熱性能が上がる | 断熱性能が低くなる |
価格が安価になりやすい | 価格が高くなる |
破壊されやすい | 破壊されにくい |
強度が無い | 強度がある |
熱に弱くなる | 耐熱性が上がる |
繰り返しの衝撃に潰れやすくなる | 繰り返しの衝撃に耐えやすくなる |
原料や製造方法で性能が大きく変化しますので、飽くまでも参考的な見方としてください。
ゴムスポンジにおいては発泡されていますが、使用方法が弾力性を基準とされますので硬度と言う表記が一般的になります。
みかけ密度、密度、比重、発泡倍率など、発泡体には体積から割り出される重さの単位には様々な表現があります。水を基準に1cc(㎤)においての重量、1リットル(1000cc)においての重量、1立米においての重量として表現されており、グラム(g)やキログラム(kg)など、業界において取り決めはされていないようです。
発泡体の表現方法として密度はよく使われますが、比重は殆ど使われていません。業界の暗黙のルールかもしれません。比重が使われるのは、樹脂、ゴム、金属は発泡していない状態のようです。
(断熱材において、発泡倍率が低い物が性能が良くなるケースが多々ありますが、飽く迄も低発泡時と高発泡時の差としての目安として記載しています。断熱材として考えるのであれば、グラスウールや押出ポリスチレンフォームなど密度の高い物が性能が良くなっています。)
発泡倍率の求め方
{厚み(ミリ)×幅(メートル)×長さ(メートル)}÷重量(kg)=発泡倍率
比重の求め方
重量(kg)÷{厚み(ミリ)×幅(メートル)×長さ(メートル)}=比重
軟質ウレタンスポンジやゴムスポンジなどは、比較的比重で表現されることが多く、ポリエチレンやポリプロピレン、ポリスチレンなどの発泡体は発泡倍率で表現されることが多いです。また、この場合は樹脂としての比重はあまり考慮されないことが多くあります。
注意点
断熱材の性能は、発泡倍率が下がると断熱性能が上がる場合もありますが、飽くまでも低発泡時と高発泡時での比較となりますのでご了承ください。
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