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サンペルカとPEライト

この二つの製品は、同じ物といって良いでしょう。共に化学架橋発泡ポリエチレンフォームと呼ばれています。製品は、サンペルカは三和化工株式会社、PEライトは株式会社イノアックコーポレーションが製造しています。メインの品番においては両社とも同じ発泡倍率の製品を作っており、繁忙期になると互いに同等品版の製品の在庫が無くなってしまうことがあります。つまり、片方の製造会社が忙しくなると納期が遅れ気味となり、納期を早めたい得意先が、同等品を作っている会社にも発注を行うという手段に出てしまいます。よって、共に忙しくなるという現象になるのです。

2社は当然競合先でもあります。しかしながら、1社では業界すべてをまかなうことは到底できなくなるので、第三者から見ると共存しているように見えます。架橋ポリエチレンフォームは、加工をする作業員が見てもメーカーを当てることが難しい様です。無架橋ポリエチレンフォームになるとメーカーの特色が出やすいのですが、架橋されることにより気泡の大きさが小さくなり、互いの着色も似たタイプの色にすることで代替もしやすくなりました。特殊な品番においては、それぞれが研究のノウハウを活かし変更できない特色や物性を持っていたりします。

代表品番の同等グレードは以下の様になっています。

三和化工(株) (株)イノアックコーポレーション
15倍発泡 L-1400 A-8
20倍発泡 L-2000 B-200
25~30倍発泡 L-2500 B-4

 

代用が使用しやすい材料であることは間違いありません。ここで注意しなければならないのは、同等グレードと言うことであり、全く同じ製品ではないという事です。極端に考えると、材料の指定が架橋ポリエチレンフォームの○○倍(または密度表記)と言う指定であれば同等品で問題はありませんが、基本的に品番であれば設計者、購入者の許可なく変更することはできません。不具合が起きてしまった際に責任が取れなくなりますのでご注意ください。

 

さて、架橋ポリエチレンフォームにおいて以前はあまり良い評判がありませんでした。なぜなら架橋させるという事は再利用しにくいという欠点があったのです。無架橋であれば溶かして樹脂化し再利用が行いやすいのです。しかし無架橋ポリエチレンフォームは気泡がどうしても粗くなり、強度が弱くなること、両面テープや直粘着加工の接着力が著しく低くなってしまうこと、打ち抜き加工の際に小さな屑が出てしまうことがあり、現在では架橋ポリエチレンフォームを使用するケースが多くなってきています。(ちなみに再利用においては、無架橋ポリエチレンフォームも実際には再利用できるのは社内での廃材しかなく、社外に出るとサーマルリサイクルのみとなってしまいます)

写真はサンペルカL-1400です

 

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