産業資材の豆知識
天然ゴムと合成ゴム 代表的な特性
ゴムは、前回のブログでも記載したように主に2種類(天然ゴム、合成ゴム)あります。
それらは、次のように分けられています。
天然ゴム:植物から採取されるラテックスを原料とし、人の手によって加工されたものを指します。
合成ゴム:石油を主原料とした、天然ゴムに似た分子構造を持ち、弾性を有しています。
代表的なものの特性を解説していきます。
天然ゴム(NR)
特性
- 最もゴムらしい特性を持っている種類です。天然ゴムの特性を上回る合成ゴムはありません。
- ゴム全体の約3割程度が、天然ゴムです。
- もともと白色ですが、耐候性を上げるために、カーボンを配合しています。
- 長所も多いのですが、短所も多いために、使用部位に注意が必要です。
長所
- 機械特性に対して、非常に優れる。
- 引き裂き強度に対して、非常に強い。
- 弾性に対して、非常に強い。
- 耐寒性に優れる。
短所
- 耐油性が低い
- 耐熱性が低い
- 耐薬品性が低い
クロロプレンゴム(CR)
特性
- 最もポピュラーな合成ゴムです。
- 品種が非常に多く開発されています。
- EPDMゴムの普及により、近年は占有比率が少し下がっています。
長所
- 全ての物性において、安定した性能を有している。
- 難燃性である。
短所
- 塩素を含んでいるために、ダイオキシンが発生する恐れがある。
エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)
特性
- 近年、CRに代わり使用率が増えている合成ゴムです。耐候性が良いために、長期間使用する自動車の部品や、建築系部材によく使用されます。
- 燃焼時、水と二酸化炭素に分解されるために、環境に優しいとされています。しかし、燃焼時に匂いは発生しますので注意してください。
長所
- 耐候性に非常に優れる。
- 耐熱性に優れる。
短所
- 耐油性が非常に低い。
アクリルニトリルブタジエンゴム(NBR)
特性
- 油を使い部位で頻繁に使用されるゴムです。
- 耐候性が弱いために、紫外線の当たる部位では使用を避けたほうが良い。
長所
- 耐油性に非常に優れる。
- 機械特性に対して、優れる。
短所
- 耐候性が非常に低い
シリコーンゴム(SI)
特性
- カーボンや硫黄を使用せずに作ることができますので、医療関連、薬品関係の部材の材料、原料として多く使われています。色も白色です。(着色可能)
- 耐薬品性、耐熱性に大変優れているために、汎用ゴムや樹脂の特殊部材として使用されています。
長所
- 耐熱性に対して、非常に強い。
- 耐寒性に対して、非常に高い。
- 耐薬品性に対して、非常に強い。
短所
- 機械強度が低い。
- 原料単価が非常に高い。
ウレタンゴム(U)
特性
- 耐摩耗性に優れているために、削れにくく耐久性の高い種類になります。赤茶色で硬めのエステル系と、黄色で柔軟エーテル系の2種類がある。
- 2種類の原料を混ぜて成型をすることが可能。力学的強度に優れていることから、荷重のかかる部材への使用が多い。
長所
- 機械特性に対して、非常に優れる。
- 耐候性に対して、非常に強い。
- 弾性に対して、非常に強い。
- 耐摩耗性が非常に高い
短所
- 製造時間がかかり、特殊な製造方法で加工性に制限がある。
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