産業資材の豆知識
メーカの異なるゴムと硬度
一般的に、ゴムの品質の選定は樹脂と異なり、原料の次に硬度が選択の順序として考えなければなりません。ゴムを使用する以上、原料の特性を考慮し弾性や伸びなどを要求する状況下の中、硬度は大きな品種の差別化として各製造業者が取り揃えているのが実情です。
ゴムの硬度は、日本ゴム協会標準規格(SRIS)に規定されているアスカーと言う方式で表現されているのが一般的です。ソリッドと言われている無発泡のゴムシートと、発泡しているゴムスポンジは測る計測器が異なります。同じアスカー式ですが、測る部分が尖っている方がA式で発泡していないゴムシートに使います。丸く傷つけないようになっている方がゴムスポンジC式です。
ゴムシートの場合60~70度、ゴムスポンジは25度程度が汎用硬度として見られています。
# アスカー硬度計
# アスカーA式
# アスカーC式
ゴムの種類は、配合によって無数にあります。
殆どのゴムメーカーは天然ゴムだけではなく石油から精製された合成ゴムも製造しています。大まかに特性は似ていますが、用途によって特性を超えた性能を付加されている場合があります。その特性が、製品の部品として大きな性能を発揮し、付加価値が生まれる場合があります。配合はメーカーの極秘ノウハウですので、同じ品質は別のメーカーで作ることが難しいのです。
同じEPDMのゴムにおいて、同じ硬度でも、比重や伸び率などの物性が異なる場合があります。時々、設計の図面で材料が記されているとき、メーカー名と品番が指定されている場合、ゴムの種類と硬度が記されている場合、ゴムの種類とサイズが示されている場合など様々あります。製造企業名と品番がしっかり記載されている場合は、必ずその品番を使用すべきですが、ゴムの種類のみ記されている場合は、該当しているのであれば、どのメーカーを使っても良いようです。また、製造企業名と品番が記載されていても、「相当品」と記述があれば、物性が同じものを使用できます。
担当:大隅
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