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シリコーンゴムスポンジ成型品
国内であまり見ない、シリコーンゴムの発泡した成型品です。なぜ見ることがないのかという理由は、技術的に難しく、需要も少ないからでしょう。写真の成型品の使用用途は、障害者の方が一文字の穴にフォークやスポーンを差し込み、肘や手で掴んで食べやすいように設計しているそうです。また、もともとシリコーンはナチュラル色(白っぽい色)ですので、着色がしやすいそうです。このような器具の場合、非常に安全性を考慮した材質選びがされています。樹脂の成型品に食器をインサート成型をすることができます。必ず、その方が生産費は低く抑えられるでしょう。しかし射出成型品の金型と、ゴムの成型品の金型では、ゴムの成型金型の方が安く抑えられます。もともと生産個数は非常に少ない為に、イニシャルコストを抑える事は重要項目になります。また、樹脂の成型品になると硬いことから、安全面については不安要因が少し残っています。となると、緩衝能力のあるスポンジタイプ(発泡製品)が良いでしょう。樹脂の発泡製品は、使用重量から考えると安価にできるかもしれませんが、普通の射出成型品に比べると、意匠性や形状、機能がゴム以上に制限されてしまいます。また伸縮の際は、樹脂はゴム以上に弱い為に亀裂、破断が起きやすいでしょう。
シリーンゴムの特徴は更に、耐薬品性や耐熱性に優れており、熱湯消毒や清掃も非常にしやすいことが挙げられます。逆に考えると、この使用用途に対応できるのは、シリコーンゴムスポンジしかないと思われます。特に食事に使用する場合は、ゴムの臭いが手についてしまうと、食欲が無くなってしまう恐れがあり、無臭に近いシリコーンゴムの優位性が非常にあると思われます。ゴムはシリコーンゴム以外に食器に使われることは殆どありません。
材料に色々な選択肢のありそうな案件ですが、必須と考える点から考えると、シリコーンゴムの発泡成形品でしか製品化はできないと思いました。
担当:大隅