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飛沫感染防止透明シート
コンビニ、量販店などで、レジやサービスカウンターの飛沫感染防止用のシートとしてよく使用されている材料です。生活において手に取られているケースが多いのは、食品を包むラップだと思います。一般的な樹脂と比べて、耐熱性も良い方で、視認性(光の透過)が良い点など、利点が多い材料です。ここで比較するのは、汎用プラスチックと呼ばれる種類の中でのことです。
材料は「ポリ塩化ビニル」、一般的に塩ビと言われるものです。よく比較されるのが、ポリエチレンです。同じようにシートとして使用されます。飛沫感染防止用として使用を考えるのならば、ポリエチレンは透明性がやや劣ります。また、引火の際には非常に高カロリーで燃焼するために、注意が必要です。耐久性はややポリ塩化ビニルの方が優れており、耐候性も良好です。農業で使用するビニールハウスのシートは、ポリ塩化ビニルが多く使用されています。家庭用ラップなどでもお分かりだと思いますが、一度滑らかなものについてしまうと、剥がしにくくなります。この特徴を活かして、家庭用ラップは50年近くも愛用されているのではないでしょうか。
もう一つポリ塩化ビニルについて身近に感じる特徴があります。アクリル板のような板状の製品があります。硬さはラップや飛沫感染防止シートと比べて全く異なります。別の素材と思われると思いますが、同じポリ塩化ビニルの製品です。ラップのような柔らかなシートは、硬い状態の原料に可塑剤と呼ばれる、柔らかくする原料を混ぜることでラップのようなしなやかな風合いが出ています。
可塑剤のことについて一つ触れておくと、長期間使用すると、柔らかいポリ塩化ビニルのシートから可塑剤が内部から出てしまう現象があります。これをブリードアウトと呼びます。ブリードアウトした可塑剤は、シートの表面がベタベタとなりあまり気分が良くありません。これを取り除くときは、一般的な中性洗剤で洗浄すると良いでしょう。
新型コロナウイルスに対しての措置で、1年前から考えてみると考えられない光景と思います。国内、世界の感染が減って、1年前のような環境に戻れるか分かりませんが、皆さんの健康と安全を祈るばかりです。
このような対策に対して、弊社で扱っている製品の用途開発ができたのは、皮肉になるかもしれません。先ずは、人の健康を保護するものとして対応を検討していきたく思うばかりです。