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発泡製品の作り方
発泡体の製造方法
発泡体、発泡製品は次のいずれかによって生産されています。
押出発泡(口金使用)、押出発泡(シート状)、型内成型、フリー発泡です。
押出発泡(口金使用)は紐状の製品となり、非常に小さな設備で製造することができます。ゴムスポンジになると、架硫工程が必要となるために、30メートル程度のコンベアのラインが必要になります。吐出する重量が比較的に小さいためにあまり大きな(太い)ものは作ることができません。また、架硫が必要となるために、大きなラインを持っても製造できないと考えるのが良いかもしれません。私の知る範囲では、50ミリ角が最大条件のようです。形状によっては、幅が100ミリ程度まで可能である場合があります。樹脂の紐状発泡製品もありますが、多くはポリエチレンを発泡させているケースが多いでしょう。建材では塩化ビニルやABS樹脂もあります。ポリエチレン、軟質塩化ビニルの場合は隙間埋めや、パッキン用途が高いために発泡倍率が高く、建材で使う塩化ビニルやABS樹脂は低発泡や無発泡で作られます。低発泡の紐状と言うより棒状の製品の大半は建材用途になります。
押出発泡(シート状)
細かく分類すると、シート状かボード状になります。分類は定義されないと思いますが、基本的に包んだり曲げたりすることができるものをシート、折り曲げ、自立、やや剛性のある物をボードと呼んでいます。また薄い場合はシート、厚い場合はボードと分けている場合もあります。用途も断熱材から緩衝材、デザイン材など幅広い用途で使用されています。
型内成型
最も知られているのが発泡スチロールです。金型に原料を入れて成型します。方法は大きく二通りあり、発泡した原料を入れ、熱で固める場合と、発泡していない状態で金型に入れ、加熱して発泡させる場合があります。発泡スチロールやPブロックなどのビーズタイプの製品は発泡した原料を型に入れ成型する前者であり、ゴムスポンジやサンペルカ、PEライトなどは、後者の型内で発泡させるタイプです。前者では比較的形状の自由度は高く、大型物も可能です。成形時間も短いために大量生産型です。後者は緩やかに発泡するので、凸凹した形状は不向きで、大型の製品も難しいでしょう。
フリー発泡
正式名称ではないかもしれません。軟質ウレタンでの製造方法です。業界ではできた材料をスラブと呼びますので、スラブ発泡?スラブ製造?と言うかもしれません。ウレタン発泡で生産される方法です。原料となる液体からパンの様に膨れ上がります。スラブは溝の中で発泡成形しますので、直方体になりますが、建築現場の断熱工事で使用する場合は、吹き付けられて発泡します。寸法に関しては最もアバウトです。
発泡プラスチックやゴムスポンジは、以上のようなカテゴリーに分けられます。このことを知っていて得することはあるのかと言うと何もありませんが、量産性や最低ロットなどを考える際の目安になります。
発泡体の製品が出始めて50年以上になりますが、製造企業が各々に技術革新を行ったために纏めた文献などはあまりまりません。精々、発泡スチロールの業界ぐらいでしょう。25年以上携わった筆者からの見解は、スポンジのようにこれらの製品をぼやッとデリケートに観察するのが良いと思います。
写真はミラマット2mm