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熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂
樹脂の分け方には色々ありますが、1つの分け方として熱可塑性樹脂であるか熱硬化性樹脂であるかの違いがあります。定義的に
熱可塑性樹脂:加熱することにより軟化し可塑性となり,冷却するとふたたび硬化する性質をもつ樹脂のこと。
熱硬化性樹脂:加熱すると重合反応を起こして高分子の網目構造を形成し、硬化して元の物性に戻らなくなる樹脂のこと。
熱可塑性樹脂を分かりやすく直すと、熱をかけて溶かし、形状を変えてまた冷やすと、同じ物性の物を作ることができます。具体的にはチョコレートと同じ原理です。市販のチョコの塊に熱をかけて溶かして、ハート形や星形の型に流し込んで冷やすと、ハート形、星形のチョコレートができます。味も変わりません。余ったチョコレートも賞味期限内であれば保管して後日に作ることができます。樹脂において何が長所となるのかと言うと、工場内での端材や不良品を再利用することができるのです。つまり、原料の有効活用がしやすいという事です。
社外に出てしまった製品の回収、再利用については困難ですが、工場内であれば、端材や不良品の管理がしやすいと思います。
熱硬化性樹脂は、熱をかけると文字通り硬くなります。さらに熱をかけると物性が変化し、以前の物とは異なってしまいます。融点を超えると当然溶けますが、冷やしても初めの物とは違う材料になってしまいます。分かりやすく例えると、タマゴに熱をかけると白身や黄身が硬くなります。しかし、冷やしても生タマゴの様な物性にはならないのと同じです。非常に使いまわしがし難い特性があります。
樹脂においてよく使われる部位は、フライパンの柄の部分です。フライパンを加熱した際に、柄が過熱し溶けてしまったら、事故が起こりやすくなってしまいます。よって、フライパンの取っ手(柄)は、熱硬化性樹脂が使用されるのです。
工場内で発生した熱硬化性樹脂の製品に使えない部分や不良品は、再利用ができません。ほとんどが廃棄処分になります(サーマルリサイクルを除く)。
しかし、これらの特性が用途に大きく材料選択において関係性があるのかと言うと、大半は関係性がありません。使用環境による物性と、耐熱温度での選別になります。この熱による物性変化の分別は、製造方法や、工場内リサイクルが左右されてきます。
代表的な樹脂は、
熱可塑性樹脂:ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル、PET樹脂
熱硬化性樹脂:ポリウレタン、メラミン樹脂、合成ゴム(プラスチックではありませんが)