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圧縮率の低いパッキン(水密材、気密材)の有用性
1 はじめに
低い圧縮率で水密材および気密材として機能するパッキンは、圧縮による変形が少ないため、長期間にわたり安定した性能を発揮します。今回のブログでは、圧縮率の低いパッキンが持つ具体的な特性や、その有用性について詳しく説明します。
2 圧縮率の低いパッキンの特性と圧縮率
圧縮率は、パッキンに対して加えられる力により、どれだけの変形が生じるかを示す指標です。圧縮率が低いパッキンは、加えられた圧力に対して変形が少なく、元の形状を維持しやすい特徴を持っています。このため、過度な圧縮が原因で性能が劣化するリスクが少なくなります。
3 圧縮率の低いパッキンの有用性
3.1シール性能
圧縮率が低い状態で機能するパッキンは、圧力の変動や繰り返し加わる力に対しても形状を保ち、安定したシール性能を発揮します。これにより、水密材や気密材としての役割を長期間にわたって果たすことができ、漏れを防止する信頼性の高いシステムが構築されます。
基本的に水密性や気密性を保持するには、パッキンの応力があればあるほどシール性能は高くなります。つまり、圧縮率を高めないと応力が出ない構造になります。圧縮率が低い状態でシール性能を高める場合は、材料による影響が高くなります。接着部の平滑性、パッキンの追随性が高い材料程その効果は高くなります。
圧縮率が高くないと機能しにくいシール材(パッキン)は、材料自体に力が長時間かけられた状態であるために、ひずみが生じ応力が低下する恐れがあります。応力はシール性能に影響するために、機能しにくくなるケースが考えられます。
3.2 耐久性の向上
圧縮率の低いパッキンは、圧力や温度の変動に対しても劣化が少なく、耐久性が高いのが特徴です。これにより、パッキンの交換頻度が減少し、メンテナンスコストが大幅に削減されます。また、圧縮による疲労や変形が少ないため、長期間にわたってシール性能を維持することが可能です。
3.3 復元性の高さ
圧縮率の低いパッキンは、圧力を受けた後でも元の形状に復元しやすいという特徴があります。これにより、長期間にわたり圧力がかかり続けても、パッキンの性能が低下しにくく、繰り返し使用される環境でも信頼性が保たれます。復元性が高いことで、パッキンの寿命が延び、システム全体の保守性も向上します。
3.4 不陸が大きい条件での有用性
圧縮率が低い状態でも機能するシール材(パッキン)は、不陸が大きい条件下においても機能しやすい特徴があります。下図のような悪質な条件下(圧縮率が低い状態)でもシール性能を発揮しやすいといえるでしょう。
3.6 応用範囲の広さ
圧縮率の低いパッキンは、その信頼性を活かし、さまざまな分野で使いやすいシール材として用いられています。たとえば、建築分野では防水シールや窓の気密シール、工業分野では湿気や水しぶき、保温のための気密材として、多岐にわたる用途で高いパフォーマンスを発揮します。
4 具体的な使用例
4.1 建築分野
圧縮率の低いパッキンは、建物の外壁や窓のシール材として使用され、風雨や温度変化から内部を保護します。また建築現場では不陸が良い状態ではないケースもあり、圧縮率の低いパッキンは有用性が高くなると考えられます。
4.2 工業機械分野
機械の振動や衝撃による、すき間の変動や変形が起こる場合にも、シール性能を発揮しやすくなります。
結論
圧縮率の低いパッキンは、安定したシール性能を備えており、多くの分野で非常に有用です。これらの特性により、圧縮率の低いパッキンは、厳しい条件下でも長期的に信頼性の高いシール性能を提供し、システム全体の効率性やコスト削減に寄与します。
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下記の画像は、AIによるノルシールをイメージさせたものです。