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樹脂とゴムは企業が育てた進化?
私が営業職時にゴムと樹脂のことについて学ぼうとした際に、図書館、大きな書店で探しました。しかしそこにあった書籍は、20年近くも前の基本的なことばかり書かれているものばかりでした。樹脂(プラスチック)、ゴム共に同じような時代感がありました。
私も知りたい気持ちで、何件も(当時はアマゾンなど利用する機会がなかった)まわりましたが、同じような書籍ばかりでした。それでも見つけることができたことも貴重で、見つられない方が多かったのを覚えています。なぜそのように少ないのか?読む人の需要がないのもありますが、それ以上に基本的な文献、大学などで学習できる範囲以外は、樹脂とゴムは企業が育てた技術となり、書籍やデータとしてアウトプットされない環境下にあるのでしょう。
基本的なことが記載されている書籍でも、製造工程、機械、設備などの写真はほとんどありません。全て企業の情報となってしまうからです。企業は古いノウハウでも外部に漏れるのを避けたがります。当然そう思います。
よって、今の樹脂やゴムの技術は、各企業が育て上げられたものの塊となります。また、それらを支える原料メーカー、設備メーカーの技術の結晶でしょう。
樹脂のシートや板材は、原料の物性に依存するものが多く、同じ製法であれば同様のものを作ることがほぼできますが、それぞれのメーカーによって工夫や配合が異なれば、マネすることができない製品が出来上がります。また、他社に真似されないように特許を出願している場合もありますが、特許を出願すると、ノウハウを開示することとなり、特許侵害を受けないような工夫、改良が行われ、類似製品として販売される場合もありますので、あえて特許を取らないケースもあるそうです。
現在ある化成品、ゴム製品は各企業のノウハウの塊であり、如何に競合他社に負けないようなコストパフォーマンスや、製品の安定、納期の管理など、いろいろな要素を織り合わせたものなのです。