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架橋と加硫、無イオウ 超低イオウ
架橋と言う言葉自体を知っている方は非常に少ないでしょう。樹脂やゴムに使用する加工方法の一つです。以前のブログで記載しましたので、読んでいただけると助かります。
加硫と言う言葉があります。この言葉も、架橋と意味はほぼ同じです。分子と分子の間に橋を架けるように繋がったことを指します。異なる点は繋げる際に硫黄を使用していることです。比較的イオウで架橋させると、橋となる部分が多くなる現象が多いために、比較的に強度や弾性に対して強くなる傾向があるようです。
つまり、架橋と言うカテゴリーの中においてイオウで架橋させたものが加硫と言う言葉で表現されるために、意味合いとしては非常に近いといえるでしょう。注意しなければならないのは、同じ読みで「か」という発音をしますが、使用する漢字は架橋は「架ける」、加硫は「加える」と言う字です。筆者も間違えて加硫で「架」を使用してしまったことが過去にあります。イオウを加えると覚えたほうが良いでしょう。
ゴムは殆どがイオウを使用して加硫させます。イオウはブリードアウトすることがあり、電子部品の電極などに付着し、故障の原因になることがありますのでご留意ください。特にパッキンとして使用した場合、密閉空間になりますので、ゴムから硫黄が出てしまった際は外部に放出されません。そのような需要を考慮して、最近のゴム製品の中には無イオウ、超低イオウと表現されるものがあります。イオウは自然界に存在する原子ですので、完全なゼロの状態にすることはできませんが、生産時にイオウを使用しない環境、生産方法で作られたものだそうです。ゴムスポンジメーカーは当然複数社存在しています。表現の方法として歴史が浅い分、正確な区分けの表現が定まっていないようです。
30年前から急激にICT(IT)機器の発達が激しくなりました。伴って、樹脂成型品、樹脂原料など進化をし、ゴムも新しい製品が出始めています。10年後には新しい架橋方法が更にできているかもしれませんね。