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ポリエチレンの発泡体
ポリエチレンの発泡体の殆どがLDPE(低密度ポリエチレン:Low Density Polyethylene)を使用しています。(低発泡製品においては使用されているケースもあります)
原料自体の柔軟な風合いがそのまま引き継がれているように感じます。主な用途としては、緩衝を目的とした使い方です。割れることが滅多になりませんから、衝撃を吸収して保護しています。低発泡は約1.5倍から高発泡は40倍程度まで可能です。架橋、無架橋の差は気泡の大きさに現れます。飽く迄も傾向となりますが、無架橋は気泡(セル)が大きく、架橋はセルが小さくなります。そして、熱にも弱いために、原料の特性が発泡すると更に大きく影響します。気温が高くなるとセルの内部の空気も膨れ、気温が低くなると空気も縮まります。
ポリエチレンの発泡製品の中で、最も多く出荷されている製品はJSP:ミラマット、酒井化学工業:ミナフォームでしょう。包装資材として50年近くも前から生産され、今もあまり減少していないようです。発泡していないのですが、川上産業のプチプチ(気泡緩衝材)も緩衝材として幅広く使用されています。
ミラマットは無架橋ですが、架橋発泡はサンペルカ:三和化工、PEライト:イノアックが多いでしょう。風合いは非常に滑らかで細かな気泡になっています。緩衝用途以外にも断熱用途も多くあります。無架橋製品も断熱性能はありますが、加工や寸法精度、粘着剤との相性、その他の条件に合わせているのでしょう。非常に面白い傾向です。双方(架橋と無架橋)は同じ原料でありますがお互いが用途のシェアを維持しており、価格以上に変更しにくい特性があるのです。実際には、架橋と無架橋は材料の原反ベースで倍程度の開きがあります。生産効率も数倍以上無架橋の方が多く作ることができます。
ポリエチレンは樹脂の中で地味に多くの特性を持つ原料です。特に発泡体になれば長所短所が顕著に現れ、変えることができない原料となっています。
架橋ポリエチレン発泡体:サンペルカ
無架橋ポリエチレン発泡体:ミラマット