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断熱材として使える材料と熱抵抗値

発泡プラスチックは断熱性能がありそうに感じられると思いますが、実際にどの位の厚みで使用すれば良いのかが分からないと思います。今回は熱抵抗値と言う基準で解説してみます。

熱抵抗値とは、物体がどの位熱を通し難いかを表わした数値です。逆の言い方をすれば、熱抵抗値から使用できる材料(断熱材)や、使用しなければならない断熱材の厚みも計算できます。厚みと断熱性能は反比例していますので、同じ熱を通し難い環境を作るには以下のような関係性があります。

  • 断熱性能が低いと断熱材の厚みが必要
  • 断熱性能が高いと断熱材は薄くすることが可能

ちなみに物体の熱の伝わりにくさを表わす基準として、「熱伝導率」という数値で表します。数値が低いほど熱が伝わりにくく(断熱性能が良い)なります。

熱抵抗値と断熱材の厚み、熱伝導率の関係性は以下の通りです。

 

ここでは、グラスウールと共ショウNETで記載している製品を基に例を挙げます。

【住宅用グラスウール断熱材 16K相当:熱伝導率0.045 W/(m・K)】が100ミリ設置されている場合、熱抵抗値は2.22 【㎡k/W】となります。計算式は以下の通りです。

0.1m÷0.045=2.22

では、グラスウール16KをサンペルカL-2500:熱伝導率0.033 W/(m・K)に変えた場合はどの位の厚みで対応できるのでしょうか?この場合の計算式は以下の通りです。

熱伝導率【W/(m・K)】×熱抵抗値【㎡k/W】=断熱材の厚み【m】

0.033×2.22=0.07326(m)

つまり74ミリの厚さで、同等の断熱性能が得られます。断熱材を薄くして使用できるのです。この計算式がどの様に活用できるのかと言うと以下のケースが考えられます。

既存の断熱材では環境に対応できない場合(湿度や衝撃が加わり、性能が発揮できない場合)

断熱材の厚みを変更して、別の材料の使用を検討する場合

材料(断熱材)を変更することによって、どのくらい断熱性能(熱抵抗値)が変わってしまうのかを検証する場合

 

断熱材において、材料提案、機能提案、省スペース化の提案をする際は必ず必須の公式ですので参考にしてください。ちなみに住宅設計における場合はR値と表記されるケースが多いので覚えてください。

共ショウNETは、発泡プラスチックを多く扱っております。それらの製品の熱伝導率を掲載します。

製品名 品番 熱伝導率
W/m・K
ニューペルカ LCX-200#1 0.036
オプシーラー OP-130 0.051
ラバペルカ CR-250NN 0.047
オプセル LC-300#1 0.036
ミラボード ミラボードΛ
開発品
0.0211
Pボード Pボード8倍5mm 0.043
サンペルカ L-1400 0.043
L-2500 0.033

高性能グラスウール断熱材32K相当 0.035W/(m・K)

住宅用グラスウール断熱材16K相当 0.045W/(m・K)

上記の表とグラスウールの性能値から考えると、発泡プラスチック、ゴムスポンジなどは一般的な断熱材として使用できる断熱性能を持っています。しかし扱い方法や難燃性、コストパフォーマンスなどの見地から、グラスウールや押出ポリスチレンフォーム、硬質ウレタンフォームが建設用の断熱材として使用されています。

今後はエネルギーの有効活用、更なる省エネルギー対策が重要視されますので、更なる断熱用途の需要が増えるのではないかと考えます。

 

 

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